薔薇姫


「コクられた時はグチグチ言ってたくせに今はベタ惚れなんだね?」

桜をひじでつつく。

「・・・うん、まぁ」

そう答えた桜の顔はいつの間にか真っ赤に染まっていた。
フフッと笑う。

可愛いコ。

「ここ女子校だもんね。やっぱ、カレシ作るなら北だよな――」
あっ
そーいや私カレシいないや。
急に焦りだす。

このことを桜に指摘されたらどうしよう。

「自分はフリーのクセにそんなこと言えんの?!」
って。

だが桜は言ってこなかった。まだ顔は赤いまま。
何も喋ろうとしない。

よほど恥ずかしかったのか・・・