薔薇姫

｢今日急いで来る必要なかったじゃん・・｣
なんだか力がぬけた。
携帯に顔を向けたままの桜がまた口を開いた。

｢ご愁傷様です｣

それでも顔は携帯のまま。少しムッとして、私は桜の携帯を取り上げた。

｢あーーー返してよぉ｣

桜が取り返そうと必死に手を伸ばす。

｢もー、さっきから誰とメールしてんの？？謝るときぐらいメールやめなさい！！｣

そう言って私は桜の携帯画面に目を移した。