薔薇姫


開け放たれた扉の向こうにあったのはいつもと変わらぬ光景だった。

おしゃべりをする人。

携帯をいじる人。

友達とじゃれあう人―


あ・・れ・・・??


呆然と立ち尽くす私に向かって声がかけられた。

「あっ、おはよー!さゆりィ♪」

すぐそばの席から声をかけてきたのは親友の桜だった。
「ねぇ桜、朝会は?」
キョトンとしながら聞く。桜は愛用の携帯をいじりながら答えた。
「あれ?昨日メールで教えなかったっけ?今日の朝会、中止になったって」
「聞いてねェ!!!」

メールこなかったよ!昨日!!

なおも携帯をいじりながら桜が顔をしかめた。
「え?嘘・・。やだゴメン・・」