薔薇姫


スカートがめくれないよう、姿勢を工夫しながら自転車を漕いでいく。
幸い行っている高校は私の家から比較的近く、自転車で行くことができる。

とは言っても普通に漕いでいては20分以上はかかり、速度を上げなければ明らかに遅刻だ。

人通りの少ない道では自然に立ち漕ぎになり、ハアハアと息を切らせつつも、どうにか学校に到着した。

ややきつい革靴を脱ぎ捨て上履きに履き替える。

革靴を特定の場所へしまうとそのまま私は2階へ続く階段を登り始めた。