神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

部屋の中に入ると少し高い位置にある玉座と、そこへと続く赤い布が目に入った。

その他には数人の護衛兵と、晴明と同じ様な陰陽師服を身に纏った男が一人、腕を組んだ姿勢でこちらを見てニヤケていた。


「よう晴明、今日は珍しく俺の方が先に着いちまったみたいだな!」


「その様だな、ひとまず帝にご挨拶を…。」


晴明と葉明は短い挨拶を交わすと肩を並べて玉座の前に膝をついた。
そして二人は頭を下げるとハッキリとした口調で帝に口上を述べた。


「帝直々の勅令に応じて安倍晴明ここに参りました。」

「同じく神楽葉明、ここに参りました。」


二人がそのまま頭を下げたまま黙っていると、薄い幕のかかった玉座から二人に対して声がかけられた。