「そないに気にする事は無いわえ?あの子達が良くやってくれたからねえ。」


白蓮は善次郎に頭を上げるように言うと、少し疲れ気味な彼を見て溜息をついた。


「貴方も出雲から来て落ち着く暇もなかったやろ?少し休んだらどう?」


「いえいえ滅相もない!私には若を連れ帰る使命がありますので。
…所で若はどちらに?」


善次郎はどうしても幹矢の姿が居ないと落ち着かないらしい。

白蓮は一つからかってみる事にした。


「善次郎さんは海お好きかえ?」


「海…ですか?いやぁ最近は行っておりませんなぁ。人混みが苦手でして。」


案の定渋る善次郎に白蓮は笑いを堪えながら言った。