神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

白蓮はそんな御影の横顔を見ながら湯呑みのお茶を一口すすった。
窓の縁に掛けられた風鈴が涼やかな音を立てて風を運んできた。


その音色を聞きながら御影がゆっくりと話を切り出した。


「…それで、あれから何か分かった事はありますか?奴等の狙いはやはり八百万の神達の寄り合い…百鬼夜行…。」


白蓮は御影の言葉にゆっくりと頷き返して答えた。


「うむ、恐らくは間違い無いじゃろう。
神界もしくは天界と呼ばれる場所へと繋がる門…天岩戸を開く気じゃ。」


『天岩戸(あまのいわと)』
かつて太陽の神、天照大神(あまてらすおおみかみ)が閉じこもる事によって世界が暗闇に包まれたという神話が残る岩の門。

しかし実の所、天岩戸は天界へ続く現世の扉とも言われていたのだ。


「やはり…執拗なまでにこの屋敷を襲撃するのは龍脈の解放が目的では無かったのですね。」