俺は頭を押さえながら部屋に入ると、ソファーに深く腰を下ろした。


「どうしたの?調子悪そうだね?大丈夫?」


「大丈夫だ…ちょっと頭痛がするけどすぐ治る。で?どうした?」


「うん…ちょっと沙綺ちゃんとお話しようと思って。」


彩音は少し寂しげな表情で呟くと、俺の横に腰を下ろした。


「あのね沙綺ちゃん、最近彩音ずっと気になる事があるんだ…。」


「何だ?その気になる事って。」


「うん…何かね、最近ずっと毎日寂しい気分なの。
…多分しーちゃんも同じ。だって寝てる時にたまに泣いてるんだよ?本人は自覚無いみたいだけど…。」


彩音は足をプラプラさせながらそう呟いた。

やはり俺だけじゃなかったんだ…、何か大切な事がポッカリと抜けた感覚があるのは。


「そっか、何故だろうな?」


「仲間の退魔士の事を一人ずつ思い出してみたんだけど、やっぱり違うの。
なんて言ったらいいかな…隣にいて仲良かった友達が急に転校しちゃった寂しさに似てるかも。」


彩音…。理解出来る分、何て答えを返したらいいのか分からない。