「何だ!?馬頭がいきなり消えたぞ!!?」


月読は今まで馬頭が立っていた場所へと刀を空振らせて着地した。


「幹矢!!」


振り返って相方に意見を求めてみたが、彼も同様に訳が分からないと首を振った。


「何か本人の意志とは無関係に消えたように見えたが…?どうやら向こうの雷神達も消えたようだ…。」


頭だけ彩音達の方へ向けて確認してみたが、彼女達も驚いている所をみると間違いないらしい。

幹矢と月読は戦意喪失してしまった姉妹の元へと歩き出した。


(一体どうなったんだ?透は神界で彼を倒せたのか?それともこれが終焉の合図なのか?)


「なぁ幹矢、ワシ等は…。」


「ああ…、月読の言いたい事は分かる。だが何も答えてやれないよ。僕にも分からない。」


そして泣きじゃくる二人の姉妹の元に辿り着いた幹矢は、何も言えずに立ち尽くしてしまった。


「お姉ちゃ〜ん!お兄ちゃんが、お兄ちゃんが!!びぇぇええ!」


彩音が月読の胸めがけて飛び込んできた。
それを切なげな表情で受け入れた月読は、彩音をそっと抱き締めた。