神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

「ハァハァハァ!御影さん!ここに来て何するんです!?中に行くんですか!?」


天岩戸まで辿り着いた沙綺達は光り輝く扉の前で立ち止まった。


「いや、僕等が行っても足手まといになりかねない。ここでなすべき事は天岩戸が消失するまでの時間を稼ぐ事だ!」


「ここが閉じちまったら神楽の奴は…。」


「無論帰ってこれない。だから僕等は結界術で少しでも延ばすんだ。」


御影はそう言って沙綺と目を合わせた。

中の状況は全く解らないが、沙綺は透が必ず帰ってくると信じていた。
ならば自分が出来る事をするまで!
符術士の師弟2人ならば何とかなるかもしれない。そう考えていた。


「分かりました御影さん!でも具体的にはどの術式でやるんですか!?」


そう問いかける沙綺に、御影はメガネを架け直して答えた。


「反属性の陰と陽を使おう。
沙綺は現世との境目たる入り口に陰の結界を。僕は天岩戸の扉に陽の結界を張る。
反属性ならば反発して簡単には閉まらないはずだ。」


沙綺はそれに頷き返すと呪符を構えて合図を待った。