「クククク…愚かな…眺めているだけでは何も運命なぞ変わらぬわ。
所詮はどのみち滅び行く種族よ、他の生物を巻き込んで滅ぶくらいなら我が滅ぼしてくれる。」


「それが人間を憎む理由か!」


「自分勝手に神の創りし大地を汚し、他の生物の生活環境を蝕み、まるで支配者であるかのように振る舞う人間…。今更省みた所で遅いわ!」


スサノオは裂帛の気合いで霊圧を解放すると、透はたまらず吹き飛ばされた!


「くっ!牙も爪も持たないひ弱な人間が生き残るためには何かを創り出さなければならなかった!
神はそのために人間に優秀な脳を与えたのではないのか!?」


「ふんっ、創造神たるイザナミとイザナギの考えなぞ我は知らぬ。
直接聞くまでの事よ…。
そろそろ出て来てはどうだ?話は聞こえているのだろう?天照大神よ…。」


スサノオは斜め上を眺めながら呟いた。

透も辺りを見回してみたが誰もいない。

しかし次の瞬間、頭の中に直接響き渡る声で返事があった!


「勿論じゃ、わらわの元に来るとは珍しい事よ…。神の盟約に違反と知っての事か?弟君よ。」


凛とした美しい声だと感じていると、スサノオが見上げた先に美しい女性が現れた。


「あ…あれが…アマテラス…。」


透はあまりの衝撃に目が離せずにいた…。