朝日の中に浮かび上がる天岩戸…。

その前に佇むスサノオは一瞬にして四天王の霊圧が消失したのを感じた。


「!!?何だと…何が起きた…!?」


振り返った先に彼が見た物は、傷つきながらも剣を振る馬頭と、本気になっている雷神の姿のみ…。

牛頭の姿は見あたらず、風神は倒れたまま動かずにいた。


「馬鹿な…たかが人間ごときに…。
フハハハハハハ!それも一興!記録に残らずとも我が覚えていてやろう。
一番最後まであがき続けた哀れな存在としてな!」


スサノオはニヤリと歯を見せて笑うと天岩戸に手をかざし、ついに神界への扉を開いた!


その瞬間、周囲に取り巻いていた激しい風が扉の中へと吸い込まれ、白い光が溢れ出した!

背後を追っていた透も立ち止まると、光に手をかざして目を閉じた。


「なんて光だ!」


薄目をあけて扉を見たが、あまりの光で中が見えない!
ただスサノオが中へと消えていく影だけがかすかに見えた。


「クソッ!待てスサノオ!行くぞ酒呑童子!」


『ガハハハ!神に喧嘩売る奴ぁ大好きだぜ坊主!あの世で子分にしてやらぁ!』


透は全速力で駆け抜けると、先が見えないままに天岩戸の中へと飛び込んで行った!