神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

「なに」


風神の真下の地面に放たれた炎龍は地中を突き破って真上へと火柱を上げた!


「滅魔結界符術攻の型二式「水」」


沙綺は風神が風を纏って防御するタイミングに合わせて、火柱へ向けて水龍を放った!


ぶつかり合う炎と水。
その結果は高温の水蒸気となって周囲を包み込んだ!


「ぐぁああああ熱い熱い息ができねえ」


中心部にいた風神は、高温の水蒸気に悶絶しながら吹き飛ばそうと必死だった!

だが、その行為は周囲の空気をかき混ぜるだけで晴れる事は無かった!


「暴れても無駄だ!お前がさっき炎龍をまき散らした影響で、そこの周囲は上昇気流が囲んでる!
いくら風を呼んでも入っちゃ来ねーんだよ!」


沙綺は霧のように湯気を立てた水蒸気へ向かって叫んだ!
視界は全く無い白い影に、風神の姿は見えない。
だが沙綺は目を閉じると、霊圧が乱れている中心へ向かって手をかざした。


「しばらく黙ってろ滅魔結界符術攻の型三式「雷」」


符陣の中から解き放たれた雷は、水蒸気の中を一気に伝わって風神に届き、周囲を巻き込む水蒸気爆発を起こした!


轟音と爆風、そして感電によって墜落してゆく風神に向かって、沙綺は親指を下に向けてツバを吐いた。


「ケッ!おととい来やがれ!」