神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

式神は御影と透の肩に止まると、二人に同時に聞こえるように沙綺は話した。


「神楽!この場は仲間に任せて先を急げ!このまま長くは耐え切れない、未来に望みがあるならスサノオの元へ急げ!
御影さん!神楽だけ結界から出せますか?」


『なっ!何バカな事言ってんだ沙綺!俺も皆と…。』


「俺達に構うな!!命はアンタに預ける、急げ!」


沙綺は透の意見を一蹴して叫んだ!犠牲や死は退魔士になる者全てが最初から覚悟すべき事、戦いに勝てなくとも諦めない!それは元から教えられた事だった。


「御影さん!どうなんですか!?」


『それは無理だ…。御館様なら出来るだろうが、僕はそれほど結界術に慣れてはいない。透を行かせるなら結界を解く他に道はない。』


御影はせめて後一人は無力化出来ればと考えていた。

数では勝っているものの、戦闘力で見れば透が抜けるのは非常に厳しい。
彼を行かせたいのは山々だが、残りのメンバーで足止めが出来なかったのでは話にならないのだ。


御影は沙綺に答えた瞬間、ふと思いついたかのように顔を上げた。