神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

透の剣はどんどん重さを増してゆく。
牛頭は額に汗を光らせながら横目で馬頭を見た。

すかさず助けに入るはずの相棒は、前鬼と後鬼の猛攻を受けて精一杯だった!


「アンタ達しつこすぎるよ!構ってる暇は無いんだ!さっさと死んどくれ!」


「ウチ等の親分がヤリ合ってんのに手が抜けるかよ!…だよな姉御!」


前鬼が連続して馬頭の剣を捌きながら叫び返した。


「あったりまえよ!手抜きしたらぶっ飛ばすわよっ!」


それに答えた忍は、絶えず前鬼に霊力を供給しながら透の様子を伺った。


(チャンスだけど…こっちも手が抜けない。
こんな時に月姉が居れば…。)


そう考えていると、前鬼に攻め込んでいた馬頭が後鬼の横槍によって劣勢に追い込まれ始めた!


「私と前鬼は貴女達より息が合っているようですね!あまり舐めないでいただきたい!」


後鬼がそう叫ぶと同時に、鬼神達は馬頭が両手に持っていた剣を弾き飛ばして斬りつけた!


「ぐわぁぁああ!」


ザンッ!と音を立てて切り裂かれた中華服が見る見る血で染まっていった!