神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

「ぬうっ!いでよ泥田坊!」


その声が聞こえると同時に、土で出来た巨大な腕が地面から生えてきた!
そしてその腕は牛頭の放った大斧を真っ向から受け止めて拳を握った!


「これは!?…水嶋様!ありがとうございます!」


「礼は後じゃ!油断するでない!」


御影が元から視線を戻した時には、泥田坊が腕だけではなく上半身全てを作り上げてそびえ立っていた!

土の妖怪泥田坊。その身長は上半身のみでも優に御影の四倍はあった。

その巨体の頭上高くに振り上げた拳を、泥田坊は牛頭めがけて叩きつけた!


「マ゛ァアアア!」


ズガンと大地を揺るがす響きと共に、爆発したように岩が飛び散った!

しかし牛頭は間一髪横に避けると、舌打ちして距離をとるため背後へ飛んだ。


「まだじゃ!食らうがいい!」


元は腕を振り、牛頭の着地点めがけて泥田坊の拳を操った!

横凪に振り払われた腕は確実に牛頭を捉えた!

バゴンッ!と硬い岩のぶち当たる音が響く。しかしその腕は前腕部から先が砕け散っていた!


「なんじゃと!この地質から構成した泥田坊の硬度は、鉄にも劣らんはずじゃ!」


術者である元は砕け散った腕を見て驚愕した!