「神器は神界から現世へと神が降りる時の依り代なの。その時に必要な力を神器が出しているのよ?
…でもその機能は神界で許可を得ている神のみ使用できるの。」


そう説明した命は透の目を見つめて続けた。


「神器の一つ一つに莫大な霊力が込められているのはそれが理由。
そして彼が四天王を喚び出した時、自らの力を削って器を作り出したのも、許可を得ずに神を降ろそうとした代償…。」


「命さん?何を言っているんですか?難しくて混乱します。」


口調は淡々としているが、内容は今まで予想していなかった新説だったので透は慌てた。


「ふふふ、無理に理解する必要はないわ。
でも一つだけはっきり教えてあげる。
彼はこの世界を創り変える気よ。…三種の神器全てが揃って初めて開かれる創造神への道、それが天岩戸。」


「三種の神器全てが揃って?さっき命さんは神器自体が神界への道だって言いましたよね?それとは別なんですか?」


透は今まで謎だった神器の存在理由が明かされていくのに頭の回転が追いつかなくなっていた。

横目で仲間を見ると沙綺や彩音達も呆然としているのが見えた。どうやら皆も同じらしい。

ただ元だけが眉間に皺を寄せて食い入るように命を見つめていた。


「神界への道は神器をもって開かれるのは間違い無いわ…ただ、創造神への道だけは別なの。
あの空間はアマテラスが独自に創り上げた世界。
そこを開くためには三種の神器を揃えないといけないの。それほどのエネルギーが必要だから。」