元はマジマジと彩音の姿を見ながら月読に答えた。


「それは神仏の加護を受けた装束でな、仏の力を借りる事が出来る凶祓いの一族が祈りを捧げて織った着物なんじゃよ。
…こんなに状態の良いまま残された物があるとはな…。」


まるで掘り出し物の骨董品を見つけたかのように嬉しそうな元。
彩音は何となく恥ずかしげにその視線を受けていた。


「へぇ〜そうなんですか。ま、月読があげたいって言うなら僕はかまわないよ。
どうせ僕には着れないからね、君達が着れるなら持って行くといい。」


幹矢は微笑んだまま彩音に向かってそう言った。

彩音はお礼を言うと、忍にもう一着を手渡して隣に座った。


「これ…私の?本当にいいのかしら?何か悪いわね…。
取りあえずありがとうございます。」


忍も幹矢に向かって頭を下げると、早速広げてみる事にした。


「ところで…この装束があるという事は破魔弓と破魔矢も有るのかね?」


「水嶋様、流石に良くご存知で…。弓と矢もございますよ。
月読、悪いけど持って来てくれないか?それも渡してあげてくれ。」


幹矢は元に向かって頷き返すと、月読に向かって指示を出した。


「ん?…ああ、あの弓だな。わかった持ってくる。」


月読は何かを思い出したように手を叩くと、居間を後にしてどこかへ向かった。