神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

(まさかな…スサノオも神の一角、何も知らないわけじゃないだろう…。きっと俺等がいくら考えた所で想像してなかった展開になるに決まってる。実際に事が起こるまで俺達は愚直に前に出るしかないんだ。)


透は席を立ち上がると沙綺達がいる蔵へ向かう事にした。


「どうせ沙綺が来るまで出発はしないんだろ?ちょっと様子見てくる。」

元と御影が話し込んでる邪魔にならないように透は彩音にこっそり告げて居間を後にした。


「あ!お兄ちゃん、彩音も行く!待ってるの退屈だもん。」


後ろからトテトテついてきた彩音を背中越しに確認した透は、のんびりした足取りで歩いていった。


(蔵…どこだっけ?確かオマモリサマの御堂の横に在ったような…。)


「ん〜…?彩音、蔵の場所わかるか?」


「うん、わかるよ。こっちだよ〜。」


透は適当に探すより彩音に聞いてみる道を選んだ。どうやら正解のようだ。
彩音は迷う事無く軽快に先へと進んでいく。透は揺れるツインテールをボーっと眺めながら後ろをついていった。


(忍と彩音は髪下ろしたらほとんど見分けつかないなぁ…今は少し違う特徴に気付くだろうけど。)


そんな些細な違いをいくつか思い出して透はクスリと笑った。なぜならそんな事本人に言ったら顔を真っ赤にして怒るに違いないからだ。

彩音はそんな透を怪しげに見つめると、蔵を指さして「ついたよ。」と到着を告げた。