神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

その様子を見ながら元は慈しむように笑っていた。


「ほっほっほっ!そうかそうか覚えておったか。まぁ立ち話もなんじゃ、神器の話は中に入ってからするとしよう。
それで良いかな?凶祓いの不動殿。」


「ええ、勿論ですよ西の長。
さぁ、あまり大したおもてなしも出来ないと思うけど皆も上がってくれ。」


幹矢は元から振られた話に笑顔で応じると、先導して中へと入っていった。

透達もその後へと続き、ひとまず居間に全員が腰を下ろす事にした。


「お?やっと来たかお前達、幾分遅れたようだな?」


忍達が今に着くと、姿を確認した月読が声をかけてきた。どうやら琴子とお茶を出す準備をしていたらしい。
すでに数杯注がれた湯飲みからは暖かそうな湯気が立っていた。


「遅れてごめんね月姉、向こうの天候が崩れて飛行機が少し遅れたの。」


彩音はにっこりと月読に笑いかけると、遅くなった理由を告げて席に着いた。


「そうか、気にする事は無いがな。これから話が長くなるだろうからくつろいでくれ。」


月読はお茶汲みを続けながらそう答えた。