神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

「沙綺の式神から話は聞いたわ…。二つ目の神器も奪われてしまったわね…。」


忍は暗い表情で開口一番にそう言った。
背後にいる御影や元達も一様に険しい顔で思い詰めている様子だった。

それはそうだろう、東の長たる白蓮を欠いた混乱冷めやらぬままに起きたこの事件。
後一度の失敗で全てが消え去る危機なのだ…。


「ああ…、それで残りの一つはどこにあるんだ?」


沙綺は忍達の荷物を中に運びながら問い掛けた。


「その質問はワシから答えよう、久しぶりじゃな沙綺よ。
…とはいえ会ったのは随分前じゃから覚えてはおらんだろうが。」


そう言いながら元が沙綺の前にやって来た。


「覚えてますとも!お久しぶりです!亮太とも半年くらい前に会ったばかりなんですよ。な?亮太。」


沙綺は亮太にそう言うと、頭をワシャワシャと荒く撫でた。


「やーめて下さい!頭を撫でるなぁ!やーめーろー!」


亮太は必死沙綺の手を払おうともがいていた。どうやら子供扱いされる事が不服のようだ。
だが沙綺がニヤニヤしてる所を見ると、わざとやっているらしい。