神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

一方その頃、御堂へ向かった月読と沙綺は無惨な姿になった周囲の様子に顔をしかめていた。

ガラガラと音を立てて崩れる屋根、斜めに傾いた柱…。

まるで内側からガス爆発でも起きたのではないかと思うほどひどい有様だった。


「月読ちゃん、オマモリサマの場所はわかるかい!?あの二人相手じゃ無事とは思えな…。」


「馬鹿者!まだ決まったわけではない!そんな事…軽々しく言うでない…。」


否定したい気持ちはあるが、月読自身もそう言い切れずに声がかすれていた。

二人はオマモリサマの霊圧を探りながら半壊した御堂の中へと足を踏み入れた。

生きているのは間違いない。なぜなら未だに閉鎖的異空間の構成は解かれておらず、近隣に人の気配が無かったからだ。


普通の結界ならば破られた瞬間に原点回帰して通常に戻るはずだが、牛頭の扉を開く特殊能力によって開けられたのだろう、通常へ戻る様子は無かったのだ。