「あー?何するつもりだ猫娘?霊圧の質を変えやがって…。」


鴉天狗が不思議そうに見つめる前で月読の霊圧は白く神々しいものへと変わっていった!


「チッ!なんだそりゃ!!妖怪の扱える霊気じゃないぞ!!自滅してーのか!!」


「そんな事は分かっている!だが今貴様等を止めずしてワシ等に勝機はない!神器は渡すわけには行かないのだ!」


月読は額に汗をにじませて身を削ぐような痛みに耐えながら、さらに霊圧を上げた!


その時である。


突如背後から何者かが月読めがけて激突してきたのだ!


「ぐっはぁっ!」


すさまじい勢いに巻き込まれて吹き飛ばされると、地面に強く体を打ち付けて苦悶の表情を浮かべた。


「ぐ…すまない…月読…。」


月読の視界の端で砂をつかんで起き上がったのは、すでにボロボロに傷ついた透だった!


そして起き上がった月読の先には、片腕と片目を失った鵺がゆっくりと歩いて来ていた…。