「強がりはよすのね…貴方はそこで何も出来ないまま串刺しになるのを待つだけよ…。」


「滅魔結界符術…」


「…無駄よ!」


「攻の型水」


沙綺の術式発動の声が響くと、氷の弾幕で何も見えないはずの結界の中から螺旋に渦巻く激流が放たれた!


「水ですって!?無駄よ!そんな物すぐに凍らせ…キャー!」


刹那の予想に反して、凍り付かせるどころか圧倒的な水量をもって押し寄せる激流に全ての鏡が飲み込まれた!


しかし刹那の氷晶結界はただの術ではない!
水に飲まれた後もその場から動くことなく沙綺を取り囲んだままだったのだ!


少しずつ衰え始めた激流の中から沙綺の姿が現れ始めた。

あまりの水の流れに驚きの声を上げた刹那だったが、未だに自分が有利に立っていることを確認して笑い声を上げた。


「あっはっはっは!見かけ倒しだったようね、ご苦労様…貴方に勝ち目なんて無いのよ!」


刹那は優越感に浸りながら沙綺の顔を見つめた。