実際はどれもが本物で、どれもが偽物だった。
全ては刹那の意識次第でどこからでも攻撃可能な、彼女最強の攻撃法であり防御法だった。


「またこれかよ!これには苦い思い出沢山だぜ!!
今回は結界ぶち壊してくれた前鬼達も居ねえし…。」


沙綺は自らに結界を張ろうとしたが、寸前にそれを止めて頭を振った。


「御影さんならこんな事はしないはずだ。まだ勝つ手段はきっとある!」


沙綺は改めて氷の鏡達を見つめた。
どれもが綺麗に磨かれたように光を反射している。そ
して氷自体の保存のためか、常に周りが冷気によって冷やされて白いもやがかかっているようだった。


『…何もしないで立ってるなんて観念したのかしら?…ならば串刺しになって死になさい。』


刹那は声を響かせると、先程作り上げた剣を振りかぶって全鏡から一斉に射出した!


「思い付いたぜ…観念しろ雪女。結!」


沙綺は一度止めた符術結界を迷い無く発動させると、氷の剣全てを受けきった!


刹那はそのまま隙を与えまいと、雹を弾丸のように結界に向かって撃ち込んだ!


「無駄だ雪女、準備は整った…俺はここから出る事なく、お前の鏡を壊してみせる!」