神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

ゆっくりと立ち上がった透の瞳は金色に輝き、鵺が初めて酒呑童子と戦った時とは明らかに違う理性を感じられた。


以前は荒々しく邪心ある瞳だったが、今の透からは同じ霊圧だが全く異質の印象を受けるものがあった…。

鵺は待ち望んでいた戦いが出来る条件が揃ったと感じ、口の端を吊り上げてニヤリと笑った。


「そうです!その力を持って戦いに臨むのです!刹那、鴉…終焉の時だ。行け!」


その号令を待っていた刹那と鴉天狗も妖気を解放して全力で相手とぶつかり合った!


全ての戦いが一対一。
明らかに人間達に不利な状況であった…。


(クソッ…生き残るだけで精一杯か…。)


透は鵺達の力量と今の戦力を比較したが、それ以外の回答は見つかりそうもなかった。


取りあえずは自分の相手となる大妖怪…彼との戦いを乗り切らなければならない。

透は月読と同じ構えで鬼切丸を構え、切っ先を鵺に向けた。
剣の腕は月読の折り紙付きだが正攻法だけでは通じないのは初撃から明らかだった。