神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

鴉天狗と月読が戦闘再開したのを確認すると、刹那も沙綺と睨み合いを始めた。


鵺はなにやらブツブツと呟いている透に向かってゆっくりと歩き始めた。


「さぁ、役者の配置は整った。主役としての活躍を期待していますよ?
あの時の力を見せてみろ…神楽透。」


両手を広げて、さながら舞台役者のような振り付けをしながら鵺は透に語りかけた。


「………ブツブツ……。」


透は相変わらず下を見たまま何かを呟いている。


(起きろ酒呑童子!このままだとお前の野望は果たせないぞ!
この戦いを乗り切らないと先が無いんだ!力を貸してくれ!)


透が幾度と無く語りかけたその時、胸の中がザワつき始めた!


透は意識を持って行かれないようにするため、鬼切丸の刀身に映る自分の瞳を見つめた。


『寝起き早々懐かしい物見せてくれるじゃねーか坊主…力なんざ勝手に使え、お前が俺様の夢を見た時以来、魂の定着化が進んで任意に引き出せるようになってるはずだ。
死なない程度に頑張るんだな…。』


酒呑童子がそう語りかけて意識を閉じた瞬間、体の中から力強い霊気が解放されるのを感じた!