神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

あまりの突然かつ高速の攻撃だったため、透と月読は顔の前に手をかざすのが精一杯だった!

何も出来ないまま分身も含めた全ての体に羽が深々と突き刺さって血しぶきを上げた!


「ガハァ速…過ぎる…。」


ボゥンと煙を上げて消え去る分身、透と月読はその場にガクリと膝をついた。


「小技を使っても無駄だぜ坊主!そんな調子じゃテメーの首へし折るのは造作も無さそうだな!!
ガッハッハッハ!」


鴉天狗は指をゴキゴキならすと、とがった犬歯を剥き出しにして嘲笑った。


「神楽!月読ちゃん!…クソッ、二対一でもあれかよ!」


戦いを繰り広げる透達を横目に見た沙綺が舌打ちすると、その姿に気が付いた刹那が語りかけた。


「貴方は一度氷の彫像に変えてあげたわよね…まだ生きていたの。」


「あの時はどーも!お陰様でかき氷見るのも嫌になったぜ雪女!」


刹那の冷たい視線と沙綺の熱のこもった視線がぶつかり合った!


「そう…それでもまた旦那様の邪魔をしようとしているのね…。心まで凍らせてあげる…。」


そう言い放つと同時に刹那の背後から氷雪混じりの吹雪が吹き荒れた!