実際三種の神器は現実の物体としてここにある。
それを得るためには精神体では無理という話か?だからわざわざ酒呑童子も復讐の為に復活して肉体を得ようとしたのか…。

透はそんな事を考えながらオマモリサマに向かって首を横に振った。


「確かに奴等の場合肉体を失っても死んで消え去るわけやない。
でも現世に干渉は出来んようになる。
いくら元は神だとはいえ肉体を得た今となっては著しく能力に制限があるはずや。
当然疲れもあれば痛みもある。ウチらに勝機がないわけやない。」


オマモリサマは淡々と語ったが、透達はいかに難しい事か分かっていた。

八叉の大蛇を剣一本で倒した上、あの狡猾で残忍な強敵だった鵺をも時間稼ぎとして利用したスサノオ…。

そんな神話の世界の神を相手にするのがただの人間では、誰が見ても結果は明白に感じられた。


「何かこちらが有利になる手を考えなければ勝利は難しい戦いですね…。」


幹矢は腕を組んで方法を考えながら呟いた。

何か残された希望があるはずだ…。

しかし彼らに残された時間は余りにも少なかった。