一方その頃、透達は白蓮が管理する総合病院に入院していた。

鵺戦で負傷した月読、忍、透の三人が治療を受けていたのだが、特に透の怪我が一番ひどく一時は集中治療室に入って居た位だった。


全員が長期入院と戦線離脱を予期していた時、それを救ったのは幹矢だった。



彼は沙綺達が帰って誰も居なくなった集中治療室に行き、寝ている透の枕元に立つとそっと手をかざした。


「怪我や病気も厄の一つだとするならば僕の力で祓えるかもしれない…。」


そう言って幹矢はお祓いと同じように透を清めた。

そしてしばらく霊力を高めて続けるうちに少しずつだが傷が消え始めた。

しかし小さな切り傷一つ消えるまでかなりの時間がかかり、骨折だらけの透の完治など気が遠くなる話だった。