「なぁ沙綺…この道で本当にあってるのか?そろそろ着いてもおかしくないだろ?」


透は額の汗を拭いながらバッグを担ぎ直した。

土地勘が全くない二人だったが、幹矢の神社は有名だからすぐに見つかるだろうと甘く見ていたのだ。

ところが、歩けども歩けども一向に神社が見つかる気配はなかった。


「この道で間違いねーよ!地図に載ってる通りに来てるんだからな。
見る限りすぐ着くはずなんだが…。」


「沙綺…地図見せてくれないか?」


透は沙綺にそう言った。
そして手渡された地図を見て透は膝をついた。


「沙綺…日本地図で近いって…縮尺が違うだろ…。お前は地球儀見ながら東京まで1センチだから歩いていけるって言うのか?」