そしてそのまま雄叫びを上げた水龍は、圧倒的な破壊力をもって風神と雷神を飲み込んでいった!

「くそがぁっ」


直前に風神が行った行動は、雷神を抱えて周囲に風のバリアを張っただけ…。

水龍に噛み砕かれはしなかったものの、その腹に飲み込まれたまま動くことも出来ず、水龍が飛び去るままに流されていった!


水龍をコントロールしたのかどうかは定かではなかったが、遙か彼方の山の向こうへ向かって飛び去って行った水龍を見送った亮太は、スッと意識を失ってその場に倒れた…。


「亮太!しっかりして!」

すぐに駆け寄った彩音は亮太を抱きかかえてみたが、特に脈もおかしくない…単に消耗による気絶のようだった。


亮太を囲むように立ち並んだ一同は、今起きた現実を受け止められないまま、幼い少年の顔を見ていた。


取りあえず神器は辛くも守られたのである…。