ホーッホーッ…ガサガサガサ…


茂る森…月明かりが隙間から差し込む程度の薄明かりの中、葉明達は鬼達が住処にしている場所に向かっていた。

村の老人が言うには山の守り神を祭っていた小さな神社があり、そこに毎夜光が見えるという。


少ない手がかりではあったが、闇雲に山を歩くよりは目標があった方がいい。
葉明達はとりあえずそこに向かってみることにしたのだった。


「松明をもっと持ってくるべきだったな?ここまで暗いとは思わなかったぞ…。」


葉明は足場の悪い地面を照らしながら舌打ちした。


「そうですね、ただでも土地勘がない我々には目的地に行くだけでも一苦労ですから。消費が激しくなるのも当然ですね。」

頼光は周囲に目を光らせている四天王達を見渡しながら答えた。
やはり彼等も少し緊張に堅くなっているようだった。