そう答えた頼光の顔を驚きの表情で見た老人は、自分の家に来るようにと招いてくれた。


そこで葉明達は鬼達の話を聞いたり、帝から受けている鬼退治の説明をしながら体を休めた。

村に若い衆が居ないのはやはり鬼達が連れ去ったためであり、恐らくはもう帰って来ないだろうと老人は呟いていた。


そして山の向こうに日が落ちる頃、いよいよ作戦の開始が迫っていた。


「…それでは我々は山へと向かいます。
…村の方達が生き残っているのなら、必ずや取り返して見せましょう!」

老人の肩に優しく手を置いて語る頼光に、しっかりと手を合わせて拝む老人…。

それを眺めた葉明は、苦しむ民のために自分に任せられた任務の重さを認識した。


一同はお互いの顔を見合わせると、決意を新たに大江山へと足を踏み入れていった。