その夜、妙に興奮して眠れなかった。

1時をまわり

『ハァ~。喉乾いた。』

キッチンに立つとふと玄関の方が気にな
りドアをあける。

ただのこげ茶の玄関のドアに黒い大理石
の床、左手に靴箱、

その上に茶色の紙袋がのっていた。


(あれ、忘れ物?)



中を覗くと―――




バスルームのミラーで見る。

(見えない……)


ハルがいないか廊下を確認すると

リビングまで足音を立てずに移動した。



窓に自分を映す。


そこには、

コットンレースの白いワンピースを着た

15歳の少女がいた。


ハルからもらったサンダルを履いてみる。


(うん。ぴったり。)



もう一度、窓を見ると



(……!!!)

自分のはるか後ろに人の姿が見えた。