姉はゆっくりと過去を
語りだした。

俺は静かに姉の声に耳を傾け
始まりを聞いていた。

「私がまだ大学生の頃、
授業の一貫として
彼の研究室に助手として
派遣されたの。

彼は年の離れた私を
妹のように可愛がってくれた。

彼は、研究以外に何も
興味が無い人でねっ。
いつもそれに没頭してた。

そんなある日出会って
しまったの。

生物以外に初めて興味を
持てる相手に・・・

日本から来た生物学者だった。

旦那さんを早くに亡くして
子供が1人いた。
彼女は優しくて綺麗で
とても頭のいい人でねっ。
彼はすぐに彼女を気にいって、
研究室に来て欲しいことと
お金の援助を申し出たの。

彼女はそれよりも
学者として彼の研究に
興味を持ったみたい。

2人で遅くまで残って
よく研究してたわ(笑)

その思いは届かなくて、
彼女はそこの研究員と・・・

彼は仕事だけでも、
パートナーとして
彼女を近くに
おいておきたかったから

今まで以上に生物学に
没頭していった。」