バタン――

慌てて家に戻り、

「峻平どうだ?!」

パソコンの前に座る峻平に声をかける。
ハルもその横で心配そうな顔を
して立っていた。

帰る前に呼び出して、

警察のデータバンクを
ハッキングするよう
頼んでおいた。

カチャカチャカチャ――

「うぃ!開いたっ」
峻平にとっては簡単なことだろう
こいつはかつてアメリカに
いた頃、国家機密を
ハッキングし少年刑務所に
入れられた男だ。
わずか11歳で・・・


その中にはRENのことが
書いてあった。
そして死体で発見された時の
写真も

「うそだ!そんなはずない・・・」
と言う俺の横でハルが泣きじゃくる。

「泣くな!!RENは死んでない!」

「でも・・・櫂」
と峻平が声をかけてくる。

「仁からの連絡を待とう。
もし、連絡が無くても今夜実行する。」
とパソコンから離れソファーに座った俺に

「罠かも・・・」
イスを回転させこっちを向き、
不安げな声をだす峻平。



「罠でもやるよ。俺1人でも。」
と俺の心はすでに決まっていた。