ことばのスケッチ

壁に突き当たった。そして又ごろりと畳の上に横になる。どうして人に情けをかけることがいけないのか?どうしてなのか?そして起き上がり又シミの一点を凝視する。
《どうして情けを掛けてはいけないのか?》
《他人を頼る心があってはならない、あくまでも自分は自分でしかない》
《困っている人を助けてはいけないのか?》
《大いに助けなさい》
《矛盾している。矛盾している。矛盾している。どうして矛盾しているのか?」
又畳の上にごろりと横になる。ああそうなのか、そうなんだ、そして、起き上がった。
《情けを掛けて人を助けるということは、人に頼ってはいけないと言う心を人に与えることができない》
《それでは、真の意味において、人を助けるとは何か?》
《情けをかけないことだ》
《情けとは何か?》
《同情とか親切心である》
《同情してもいけないし、親切心であってもいけない。真の意味において、人を助けるとは何か?》
《その人と一心同体になることだ。同情には哀れみの心が働き、親切心も哀れみの心が働く》