「随分面白そうですね」と、ママさんがやってきた。
「天秤の話なんですよ」と、笑いの余韻を残して彼が応える。私はまだ笑いのモードに入っていた。
「それがどうしておかしいのですか?」
「それじゃママさんに聞くけど、大学の教授と泥棒を天秤にかけた場合に、どちらに傾くと思いますか?」
「そりゃ大学教授のほうが偉いから、大学教授側に傾くわよ」
「そう思うでしょ。ところが二人は、天秤は水平だと言うんだよね」
「どうしてですか?」
「『もとより賢愚得失の境に居らざればなり』なんです」
「難しそうですね」
「罪を憎んで人を憎まずは知ってるでしょう」
「ええ、有名なことばですから」
「そこのところからきてるんです。天秤が水平になるって話は」
「天秤の話なんですよ」と、笑いの余韻を残して彼が応える。私はまだ笑いのモードに入っていた。
「それがどうしておかしいのですか?」
「それじゃママさんに聞くけど、大学の教授と泥棒を天秤にかけた場合に、どちらに傾くと思いますか?」
「そりゃ大学教授のほうが偉いから、大学教授側に傾くわよ」
「そう思うでしょ。ところが二人は、天秤は水平だと言うんだよね」
「どうしてですか?」
「『もとより賢愚得失の境に居らざればなり』なんです」
「難しそうですね」
「罪を憎んで人を憎まずは知ってるでしょう」
「ええ、有名なことばですから」
「そこのところからきてるんです。天秤が水平になるって話は」



