「仕方なく、壺を被せたまま手を引き杖をつかせて、京都の医者の所へ連れて行くんだよ、『道すがら人の怪しみ見ること限りなし』そりゃそうだよな、壺を被って歩いているんだから。それも老人ならいざ知らず、壺を被った稚児が手を引かれて杖をついているんだからな」
「それからどうしたんだ?」
「『医師のもとにさし入りて、むかひいたりけむ有様、さこそ異様なりけめ』壺を被った姿で、医者の前に座ったその姿、異様なりけめ、異様なりけめだよ!」
「そりゃそうだ、異様なりけめだよな」
「『ものを言うも、くぐもり声に響きてきこえず』苦しいよ、早く何とかしてくれと叫んだんだろうけど、くぐもり声に響いて聞えない」
「くぐもり声にて聞えずか、今の世の中にも通じるね」
「医者もほとほと困って、『かかることは書にも見えず、伝えたる教えもなし』」
「こんな病見たこともないってわけだ。要するにマニュアルがないってわけだ」
「仕方なしに、寺に帰って、親しい者、年寄りや母親が枕もとで悲しみ泣くけど、壺を被ったまま寝かされている本人には聞えない」
「そりゃそうだ、壺を被って寝かされているんだから。自分は今何処にいるのかも判らないし、周りの人の様子も判らない。暗闇の中で不安だろうよ。それでどうした?」
「それからどうしたんだ?」
「『医師のもとにさし入りて、むかひいたりけむ有様、さこそ異様なりけめ』壺を被った姿で、医者の前に座ったその姿、異様なりけめ、異様なりけめだよ!」
「そりゃそうだ、異様なりけめだよな」
「『ものを言うも、くぐもり声に響きてきこえず』苦しいよ、早く何とかしてくれと叫んだんだろうけど、くぐもり声に響いて聞えない」
「くぐもり声にて聞えずか、今の世の中にも通じるね」
「医者もほとほと困って、『かかることは書にも見えず、伝えたる教えもなし』」
「こんな病見たこともないってわけだ。要するにマニュアルがないってわけだ」
「仕方なしに、寺に帰って、親しい者、年寄りや母親が枕もとで悲しみ泣くけど、壺を被ったまま寝かされている本人には聞えない」
「そりゃそうだ、壺を被って寝かされているんだから。自分は今何処にいるのかも判らないし、周りの人の様子も判らない。暗闇の中で不安だろうよ。それでどうした?」



