ことばのスケッチ

電車は小気味良くリズムを刻んで走る。
《ほら、おじさんに怒られるからよい子にしてねか?おじさんに怒られるからか?家でもそのように怒られるんだろうな、ほら、お父さんに怒られるよってね。怒られるからいけないことだよってね。私だったらこういうね。ほら、ズボンが汚れるでしょう。ほら、人に迷惑でしょうってね。怒られなかったら、どんなことをしてもいいって思うんだろうなぁ。私もそーっと避けるんじゃなくて、怒ればよかったんだろうか?隣の男性みたいに。子供は純粋だから、怒られなければいいことだと思うよね。何をしても。だけどあの少女はどうなんだろう?困った人がいたら助けてあげるのよって、言われているんだろうか?それとも、怪我をしたお父さんを労わるお母さんを見てだろうか?きっとそうだよ。お母さんの姿を見て、私に声を掛けてくれたんだろうなぁ。きっとそうだよ。じゃ無きゃ、あんな真心は出てこないだろうね》