ことばのスケッチ

《若く見せるには、腰を伸ばしてもっとシャンとしなければ。哀れみを乞うなんて。老人のいやらしさをまる出ししてはみすぼらしい》そう思って、両足に体重をかけた。
《あの少女はそうではなかったなぁ。石に腰を降ろしている私を見て、身体の具合が悪いと思ったんだろう。そこには哀れみは無かったね。素直に声をかけてくれたんだ。心の底からね。連れ添って歩きながらクイズをしてくれたんだから。今のご時世では、見知らぬ人に声をかけないようにって、言われているんだろうけど、あの少女にはそのようなことは微塵にも感じられなかった。誠意を持ってそうしてくれたんだろうなぁ》