振り回される男 振り回す女

「だからあんた私と付き合えっつってんの!」

「………いやいやいや
……」

哲は波風の顔をちらりと見た。

(マジで言ってんのか?
こいつ…
ありえねぇだろ
何せヲタだぜ)

「で、答えは?」

「ちっと待て
あのさ、言っちゃ駄目だけど
あんたとなんで付き合わなくちゃいけねぇんだよ」

「あ〜、そう捕らえるから駄目なんだ…
じゃ、あんたのヲタ症を直してあげる」

「結構。間に合ってます。」

哲はそう言うと屋上を後にした。