振り回される男 振り回す女


連れてこられたのは
屋上

「私な、昨日考えたんだが」

波風が扉を締めて言う

哲は小さな声で
ナンマイダブツナンマイダブツ
と連続で言っている。

「聞けよ!!!!」

とグーで哲の頭を殴った

「痛ー」

(この人本当に女かよ)

「で、昨日考えたんだが
お前、聞く所によるとヲタクらしいじゃないか」

「う、うん。あっ…いや
はい」

「なんで敬語や」
とまた哲の頭を殴った

「で、お前彼女って何年いない」

「何年って…」

考えてみると哲はこれまでそんなこと考えた事はなかった。