すると弥生が、美佐子に対する気持ちが全員一致した事で車内の様子が変わったと察知して、野田の大事な用事を梓に切り出した。
「実はね…私も“ある人”からあなたに預かっているものがあるんだけど……受け取ってもらえるかしら?」
モチロン、ある人とは目の前にいる野田の事だが、弥生は間に入った方が話し易いだろうと思ったのだ。
梓は沈んだ表情を隠そうともせずに、
「……何ですか?預かっているものって…。」
と視線は野田に向けながら弥生に聞いた。
「私はねー本当だったら今頃はここには居なかったのよ。恐らくは切り刻まれて殺されていたかもしれないのよ…横にいる野田さんが助けてくれなかったらね。」
「いや。俺はそんな……」
焦る野田を尻目に、梓は
「でも、さっき裏稼業って言いましたよね!?」
「それはあなたに償う為に野田さんがワザと悪行に身を染めたようなところがあって…すぐに許せと言うのは、虫の良すぎる話だとは思うけどね…」
弥生の話を遮るように
「じゃあ他人に頼まずに自分で話すべきだと思いますが…。」
「ああ。その通りだな。」
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