「まあ、これは……」
弥生はそれを受け取ると中身を確認して、驚きの声をあげた。
「中条氏が奥様に内緒で貯めていたものです。それを弥生さんと、勇さん、火菜さんで分けるようにとの伝言です。」
「まあーあの人がこんな事を考えていたなんて…。でも、あなたにも残したんじゃないの?まだ手付かずのようだけど……」
「いえ、私はいいんです。あの方は本当にアナタの事を想っていらしたので、その気持ちをアナタに届けたかっただけですから。」
梓はきっぱりと言った。
「でも、これを私に届けるという事は並大抵の事ではなかったハズよ。あなたも美佐子の事は知ってるでしょう?」
「そうよ。あの女は悪魔なんだから…!」
横から望も口を挟んだ。
「はい。本当に怖い人です。 実は中条氏はあの人に殺されたんです。」
梓の告白に車の中の空気が一変に澱んでいった。
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