エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》

命はバス停にいる森をみつけて叫んだ。

「センセー！いた！？」

森も命に気付いて

「それがどこにもいないのよ！だから今、バスの時刻表を確認してるんだけど………５分前に出てる。それに乗ったかも。」

と叫びながら語尾は力がなくなり弱くなっていた。

そんなにタイミング良くいくか！？

しかし、こんな台風の日ではもうバスは止まっているかもしれないし、行きはバスで来ても、帰りは誰かが迎えに来ていたかもしれないと考えればキリがなかった。

ただハッキリしているのは、亜梨砂という娘が来て、火菜に乱暴した後、ケータイを壊してペンダントを奪って逃走したという事。

「ありがとうセンセー。でももういなくなったものは仕方がない。上がって火菜の話を聞くよ。」

「そうね。彼女、心配ね。」

二人は寮に戻る事にした。