ウ――――ッ
ウ―――――ッ
ウ――――――ッ
けたたましいサイレンが突然鳴り響くとマイクを通して警告の呼び掛けが始まった。
「こちらは消防署です。台風の接近で河川は警戒水位を越えています。危険ですので河川敷にいる人は今すぐ非難するようにお願いします。非難場所は近くの小学校の体育館です。」
繰り返されるアナウンスに勇は怯えていた。
ビニールハウスもかなりガタついていて、いつ持って行かれてもおかしくない状況だった。
勇が目を覚ましても頼りのサムはなぜか無口で、怯える勇を宥める事もしなかった。
「ねえ、サムさん おうちこわれないかな……」
勇がおずおずと聞いてみると
「勇。大丈夫だよ。」
急に優しい笑顔になってサムが言うので勇は
「そだよね。」
と言うしかなかった。
しかし益々、雨風は強くなる一方なので勇はお守り代わりのケータイを握り締めようとしてポケットを探るとそれがない事に気が付いた。
「あれ!? おかしいな。あれ? ねえ サムさん ぼくのケー」
その時、ゴーッ!!というもの凄い豪音と共に激しい勢いで大量の水が押し寄せて来た。
あまりにも突然の出来事にサムは勇の手を掴むのがやっとだった。
天災の前では人間は無力だ。
二人は巨大化した川の流れに運ばれて行った。
ウ―――――ッ
ウ――――――ッ
けたたましいサイレンが突然鳴り響くとマイクを通して警告の呼び掛けが始まった。
「こちらは消防署です。台風の接近で河川は警戒水位を越えています。危険ですので河川敷にいる人は今すぐ非難するようにお願いします。非難場所は近くの小学校の体育館です。」
繰り返されるアナウンスに勇は怯えていた。
ビニールハウスもかなりガタついていて、いつ持って行かれてもおかしくない状況だった。
勇が目を覚ましても頼りのサムはなぜか無口で、怯える勇を宥める事もしなかった。
「ねえ、サムさん おうちこわれないかな……」
勇がおずおずと聞いてみると
「勇。大丈夫だよ。」
急に優しい笑顔になってサムが言うので勇は
「そだよね。」
と言うしかなかった。
しかし益々、雨風は強くなる一方なので勇はお守り代わりのケータイを握り締めようとしてポケットを探るとそれがない事に気が付いた。
「あれ!? おかしいな。あれ? ねえ サムさん ぼくのケー」
その時、ゴーッ!!というもの凄い豪音と共に激しい勢いで大量の水が押し寄せて来た。
あまりにも突然の出来事にサムは勇の手を掴むのがやっとだった。
天災の前では人間は無力だ。
二人は巨大化した川の流れに運ばれて行った。


