《火菜の出来事》
その日も連日のうだるような暑さは変わる事なく真夏日を更新していたが、今日の暑さは少し違っていた。
この時期にしては珍しく関東を目指して台風5号が近づいているのだ。
早ければ明日の午後には上陸するらしい。
そのせいで空気が湿り気を帯びて気温はますます上昇傾向にある。
しかし火菜はそんな事には気も止めず、寮の玄関先で命が迎えに来るのを待っていた。
昨日、今日も一緒に課外を受けに行こうと約束していたが昨夜は割りと早い時間からメールがこなくなった。
命は自分でメールを終わらせないとダメな質で、かならず返事を返してくる律儀なヤツだ。
しかしこれも昨夜に限っては例外でいつもは最後に『おやすみメール』で終わるのに火菜のメールに返事もなければ、おやすみもなかったのだ。
そうした心配を抱えて待っているのに命は今朝は約束の時間を過ぎても現われない。
(命に何かあったのでは…。)
火菜は不安で一杯になって命のケータイにかけようとした時に
「オーイ! 火菜、悪い。遅れてゴメン。」
命は全速力で自転車をこいで来たのだろう。
ハアハア言いながらやって来たので火菜は朝から抱きつきたい衝動に駆られたのをグッと我慢して
「ミコ 遅いゾォ!」
と走り寄っていった。
その日も連日のうだるような暑さは変わる事なく真夏日を更新していたが、今日の暑さは少し違っていた。
この時期にしては珍しく関東を目指して台風5号が近づいているのだ。
早ければ明日の午後には上陸するらしい。
そのせいで空気が湿り気を帯びて気温はますます上昇傾向にある。
しかし火菜はそんな事には気も止めず、寮の玄関先で命が迎えに来るのを待っていた。
昨日、今日も一緒に課外を受けに行こうと約束していたが昨夜は割りと早い時間からメールがこなくなった。
命は自分でメールを終わらせないとダメな質で、かならず返事を返してくる律儀なヤツだ。
しかしこれも昨夜に限っては例外でいつもは最後に『おやすみメール』で終わるのに火菜のメールに返事もなければ、おやすみもなかったのだ。
そうした心配を抱えて待っているのに命は今朝は約束の時間を過ぎても現われない。
(命に何かあったのでは…。)
火菜は不安で一杯になって命のケータイにかけようとした時に
「オーイ! 火菜、悪い。遅れてゴメン。」
命は全速力で自転車をこいで来たのだろう。
ハアハア言いながらやって来たので火菜は朝から抱きつきたい衝動に駆られたのをグッと我慢して
「ミコ 遅いゾォ!」
と走り寄っていった。


