「俺に逆らったらお仕置き」


そう言って海斗はニヤリッと笑った。


怖い…怖いよ…

怖いからあたしは後退りをした。


なのに…狭い道だから…


1歩後退りした所で…


もう行き止まり。


海斗はニヤッと笑って…


次の瞬間…海斗はキスをしてきた…。


イヤッ…怖いよ…



助けて…



えっ…なんか入って来た…



もしかして…これって舌?




もう…イヤだよ…




あたし…なんで好きでもないひとと…キスなんて…しかもディープキスなんて…


その時…


「ブスッ」


次の瞬間…唇が離れた。


誰かが…助けてくれた…



あたしは恐怖からまのがれた…


いつの間にか泣いていた…


怖かった…



「いった!なにするんだよ!」


「お前な…相手は泣いているのに…酷いのにもほどがあるだろ!?」


この声って…


でもあたしには考えられない…


涙がとまらなくて…



「第一!お前誰!?」

「俺?愛心の彼氏」



“彼氏”なんて言われたけど…


今のあたしには聞こえない。



「チェッ。お前…覚えとけよ」


そう言って海斗は去って行った。


「ふぇ…っ…ふぇ…」



次の瞬間…


ふわっ


誰かに抱きしめられた…


「怖かったな…来るのが遅くてごめんな…泣きたいだけ泣け」



その優しい言葉に涙はとまる事を知らずにどんどん溢れてくる。